生甘酒はなぜ美味しい?市販の甘酒との違いを比較してみた#19

最近よく見かける生甘酒って普通の甘酒とどう違うの?

店頭で当店の生甘酒を飲んで頂いた方からの感想で多いのが、「市販の甘酒と全然違う!」「甘酒は好きじゃなかったけど、これなら飲める!」「AMAZAKE HOUSEの甘酒を飲んで甘酒が好きになった!」などです。

本当にそんなに大きな違いがあるのでしょうか?今回の記事では生甘酒と火入れ甘酒の違い、甘酒を常温で保存した際に起こる変化、メイラード反応について解説します。

もくじ

常温で販売されている甘酒と生甘酒を比べてみよう

まずこちらの写真をご覧ください

生甘酒比較

左が常温で販売されている甘酒、右が当店の生甘酒の冷凍パウチです。両方同じ白米から作った甘酒です。衝撃的なほどに色味に違いが出ていることがわかります。


左の常温販売の甘酒も、製造時は右の生甘酒と同じように白っぽい色をしていたはずです。また左の常温販売の甘酒は甘味の他にどこか味噌のような熟成の進んだ独特の風味があります。

甘酒の色や風味がこんなに変わってしまった原因、これをメイラード反応といいます。

甘酒の色と風味を変化させるメイラード反応とは?

ではメイラード反応とは何でしょう?メイラード反応とは、糖とアミノ酸やタンパク質が結びついて褐色物質を作ることです。このメイラード反応、実は私たちの身の回りにもたくさん存在するのです。

  • 魚や肉を加熱すると褐色に変化し、香ばしい香が出る
  • 味噌が熟成により色が濃くなっていく
  • コーヒーやチョコレートの焙煎
  • ケーキの焼き色
コーヒー豆

これら全てがメイラード反応の結果です。そう考えると、意外と私たちの身近にたくさんメイラード反応があることがわかりますね。

常温販売の甘酒の色が茶褐色に変わったのは、味噌のように熟成が進んだ結果とも考えることができます。

そして人が老化していくのもまたメイラード反応による影響です。最近よく耳にする「老化の原因は体が糖化すること」というのは、体内の余分な糖が 体の組織であるタンパク質と結びついて、糖化最終生成物AGEsを作ることです。

高温で加熱調理した食べ物を食べ過ぎないようにというのは、このAGEsを体に蓄積させ過ぎないようにするためですね。メイラード反応によって生成される物質は体に良いものもあれば、悪いものもあるということです。

甘酒のメイラード反応が起きる条件

このメイラード反応は糖とタンパク質やアミノ酸が存在し、尚且つ温度が高いほど、そして温度が高い時間が長いほど早く進行します。

普通は、一般的な甘酒は60度前後での発酵後に、常温や冷蔵での流通のために更に温度を上げ(一般的に85度前後)火入れ(加熱殺菌)を行います。

そして冷めた後は常温の状態で出荷され、あなたの手元に届くまで数週間から数ヶ月の間常温の状態で保存されます。

この間にメイラード反応が起こり、色が茶褐色に変わり、独特の匂いと風味を作り出したのです。

私たちの経験上、甘酒が嫌いだという人の多くはこのメイラード反応によって発生したこの風味が原因の場合が多い気がします。

冷蔵で販売されている甘酒は数週間から数ヶ月経っても、低温で保存されているためメイラード反応での変化は穏やかとなります。(それでも時間と共に風味はやはり変化して行きます)

常温販売の甘酒より、冷蔵販売の甘酒をお勧めする理由はここにあります。

AMAZAKE HOUSEの甘酒”生甘酒とは?

では当店AMAZAKE HOUSEの生甘酒はというと、60度前後での発酵後、急速に温度を下げ、冷蔵の状態で1日熟成させます。

オンラインで販売する冷凍パウチは、この状態で冷凍しています。冷凍のままお届けし、冷蔵庫で解凍してお飲み頂くので、メイラード反応による風味の劣化を極力無くした方法となります。

冷凍したものをお届けしていますので、私たちの生甘酒は大量に作って 段ボールに詰めて倉庫に置いておくことは出来ません。

手間もコストも、難易度も上がりますが、私たちは作りたてのフレッシュで美味しい甘酒をお届けするために、「生甘酒」の状態で販売しています。通販では年間通してクール便(冷凍)にて発送しています。

パウチ甘酒

生甘酒って”生”がつくけど安全?

“生”とつくと飲んでも安全なの?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし生甘酒の”生”は他の”生”がつく食品とは少し違います。通常甘酒は55度〜60度の温度で発酵させます。これはこの温度帯が酵素が一番良く働く温度帯だからです。

ここまでは他の記事でもよく書かれています。ただ、もう一つ大事なのでこの55度〜60度の温度帯はその他の雑菌が繁殖しない温度帯でもあるのです。当店では約60度で8時間から15時間発酵させています。

ここで注目して頂きたいのが、日本酒やワインやワインで行われる”火入れ””低温殺菌”の温度です。一般的に低温保持殺菌と呼ばれる手法は63度で30分です。日本酒に関しては62度~68度の間で行われることが多いようです。

甘酒を60度で8時間発酵させるということは、ほとんどこの低温殺菌法に近い温度で尚且つそれ以上の長時間キープされているため、”ほとんど火入れされた状態”ということになります!

生甘酒はこれ以上の加熱を行いませんので完全には規定の殺菌工程を経ていません。そのため保存は冷凍で、解凍して冷蔵状態だと数日程度となります。

(ただし、55度もしくはそれ以下の温度での発酵と60度での発酵では甘酒の日持ち日数もやはり変わってきます。)

まとめ

甘酒の風味を変化させてしまう原因の一つは糖とタンパク質やアミノ酸が結びつくメイラード反応です。メイラード反応は、温度が高い方が早く進行します。

ということで、

生甘酒
火入れ+冷蔵販売甘酒
火入れ+常温販売

の順でより風味の変化が大きくなり、フレッシュな甘酒本来の味わいも失われていきます。

色合いと風味が大きく変化した常温販売の甘酒は、そのまま飲むのは苦手な場合でも、調味料としてすでにメイラード反応で熟成が進んでいる味噌醤油などと合わせてお料理に使うと相性は良いですよ。


米と麹本来のフレッシュでクセの少ない風味が味わえるのが生甘酒の特徴です。もし皆さんの周りに甘酒が苦手だという方がいれば是非「生甘酒」をおすすめしてみてください。きっと甘酒が好きになるはずです!

私たちAMAZAKE HOUSEはより多くの人が麹や甘酒を毎日の生活に取り入れ、健康的な食生活を送ることで日本の伝統的な発酵食文化が日本中、そして世界中のたくさんの人々を元気にしてくれる、そんな世の中を目指しています!

当店のオンラインショップでも自家製玄米甘酒のお取り扱いがあるので、ぜひチェックしてみてください♪

京都伏見のAMAZAKE HOUSEでお待ちしてます♪

甘酒ハウス店舗

私たちは京都伏見のAMAZAKE HOUSE (甘酒ハウス) という手作り生甘酒のお店です。京都産のお米と米麹を使用した、こだわりの甘酒を提供しています!

甘酒カップ


AMAZAKE HOUSEの店舗がある京都伏見は、日本酒の生産地として有名な発酵文化の根付く街です。

幕末の志士達も駆け抜けた風情ある酒蔵の並ぶ街並みや、桜や柳が綺麗で十石舟が行き交う濠川、京の都を遷都した桓武天皇陵や明治天皇陵のある桃山など魅力あふれる街です。

京都観光の際は是非伏見酒蔵地区へもお越しいただき、当店の生甘酒をお楽しみください。

お店の近くには月桂冠大倉記念館や、寺田屋御香宮神社というスポットもあります。AMAZAKE HOUSEは竜馬通りという観光地内にありますので、観光の合間にぜひお立ち寄りください!

この記事を書いた人
Kotaro Hashimoto

  

京都市出身。国際唎酒師・生甘酒専門店AMAZAKE HOUSE醸造責任者。アメリカ、オーストラリア滞在を経て現在は京都伏見にて日本酒や甘酒、麹の文化を世界に発信している。ガイドを務めるKyoto Insider Sake Experienceはトリップアドバイザーで外国人に人気No.1の日本酒体験となっている。

この記事を書いた人
Kotaro Hashimoto

京都市出身。国際唎酒師・生甘酒専門店AMAZAKE HOUSE醸造責任者。アメリカ、オーストラリア滞在を経て現在は京都伏見にて日本酒や甘酒、麹の文化を世界に発信している。

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