永久保存版!美味しい甘酒の選び方ポイント:なぜ甘酒の味は違うの? #13

健康や美容の面でも今大注目のスーパーフード”甘酒”。スーパーでも沢山の種類が販売され、酒蔵や専門店の作る甘酒など沢山の商品が存在します。

市販のものを飲むたびに味が全然違う! 美味しい甘酒を見つけるためにはどうしたら良いの?

そんな方も多いのではないでしょうか。

実は甘酒は日本酒と原材料や作り方など共通する部分が多いため、今回は国際唎酒師の資格も持つ著者が、日本酒の観点も加えながら美味しい甘酒の選び方を解説していきます。

もくじ

酒粕甘酒と麹甘酒の違い

意外と知らない方も多いのですが、そもそも甘酒と言っても日本酒を絞った後に残る酒粕を水で溶いて砂糖で甘さを加えた酒粕甘酒と、麹がお米のでんぷんを分解して糖に変える働きを利用した麹甘酒の2種類があります。(この2つを混ぜた甘酒もあります)

酒粕甘酒は日本酒の風味が楽しめるのがポイント。寒い冬はぽかぽか温まります。若干のアルコールが含まれているため、子供やアルコールが苦手な方は避ける傾向があります。麹甘酒は麹の糖化発酵を利用しているため、アルコールが含まれておらず、子供やアルコールが苦手な人でも楽しめます。”飲む点滴”として話題なのはこの麹甘酒です。健康や美容にも効果がある栄養価の高い甘酒です。※以降この記事は麹甘酒を前提に解説していきます

POINT
酒粕甘酒:多少のアルコールが含まれる・砂糖の甘さ
麹甘酒:ノンアルコールで子供でも飲める・麹の糖化発酵による甘さ・飲む点滴と呼ばれるほど栄養価が高い

お米による違い

ワインではどの品種のブドウが使われているか、日本酒ではどの品種の米が使われているかが風味に影響を与えるため、ボトルにも品種が表示されたりメーカーも大きくPRします。しかし、甘酒ではお米の品種を気にする人はあまりいません。しかしお米の品種により甘酒の味わいにも大きな変化が出てきます。

まずは普段私たちが食べる「うるち米(コシヒカリなど)」とお餅やおはぎに使われる「もち米」があります。麹を作る際に使うお米はうるち米の場合が多いのですが、甘酒の発酵の際に加える掛け米はもち米が使われることも多くあります。もち米はうるち米に比べるとでんぷんの比率が高いので麹の力でより効率的に甘くする事が出来ます。

逆にうるち米はタンパク質等をより多く含んでいるため、もち米に比べると穏やかな甘さになり、麹がタンパク質を分解する事でアミノ酸やペプチドなどの栄養素もより多く作られます。カーッとするような甘過ぎる甘酒が苦手な方は、もち米ではなく、100%うるち米で作られた甘酒が良いかもしれません。さらにうるち米の中でも多種多様な品種があり、出来上がりは変わってきます。また酒蔵の造る甘酒は酒造好適米と呼ばれる酒造り用の特別な米を使っている場合もあります。

山田錦など有名な酒造好適米を使った甘酒も販売されていますね。酒造好適米は食用の一般米と比べるとタンパク質などの比率が低いため、食用の一般米より雑味が少なくあっさりとした甘さに仕上がる傾向があります。逆に米の旨みやアミノ酸などの栄養素を重視する場合は、食用米を使った甘酒を選ぶと良いでしょう。

POINT
使う米で風味も栄養素も変わる
もち米:より甘くなる
うるち米:優しい甘さ・アミノ酸やペプチドの生成も多い
酒造好適米:雑味の少ないすっきりした甘さ

精米歩合による違い


日本酒では酒の味を決める重要な指標である米の精米歩合ですが、甘酒ではあまり表示されることはありません。しかし日本酒同様、甘酒でもこの精米歩合は大きな味の変化を生み出します。

まず玄米を100%とすると、通常私たちが食べる白米は外側を約10%程削ります。残りが90%となりこの残った90%が精米歩合と呼ばれます。ではなぜこの精米歩合が重要なのでしょう?お米には主要なでんぷんの他に、タンパク質や脂質、ミネラル、ビタミン、食物繊維と言った栄養素が含まれています。そしてでんぷん以外の栄養素は主に米の外側に多く含まれています。

要するに10%外側を削った90%の精米歩合より、40%外側を削った60%の精米歩合の米の方がよりでんぷんの比率が高まり、それ以外の栄養素が少なくなることになります。精米歩合60%の米で作った甘酒は同じ精米歩合の日本酒と同様にすっきりとしたクセの少ない淡白な味わいに仕上がります。甘酒のクセが苦手な方はこういった高精米の甘酒を選ぶと良いでしょう。

反対に、米の風味や、アミノ酸、ビタミン、食物繊維などの栄養素を重視する場合は60%よりも90%の精米歩合を選ぶ方が良いと言えます。

販売されているほとんどの甘酒はこの精米歩合について触れられていないので、その場合は通常食べるお米と同じ90%程度の白米と考えて良いでしょう。一方で、日本酒を製造する酒蔵が造る甘酒は50%~60%などの高精米の米を使った甘酒を製造している場合もあります。

POINT
50%や60%など米をより多く削る高精米の米を使うとすっきりとクセの少ない甘酒に仕上がる一方、糖類以外の栄養素は少なくなる
90%の一般的な白米は米の味がより強く出る一方、アミノ酸やビタミン、脂肪酸などの栄養素がより多く残る

玄米甘酒と白米甘酒の違い

精米歩合について解説しましたが、一般的に販売されている甘酒は90%程度の精米歩合の白米を使った白米甘酒です。では栄養価がより高い玄米でも甘酒は作れるのでしょうか?白米に比べるとハードルは上がりますが、玄米でも甘酒は作れるのです。麹甘酒が体に良い秘密は麹菌自体が作り出す栄養素の他に、麹の酵素がお米の成分を分解して栄養素を作り出す発酵にあります。

でんぷんをチョキチョキ切ってブドウ糖やオリゴ糖に、タンパク質をチョキチョキ切ってペプチドやアミノ酸に、脂質をチョキチョキ切って脂肪酸に変えます。要するにタンパク質、脂質、ミネラル、ビタミン、食物繊維など豊富な栄養素を含んだ玄米を麹で発酵させることで甘酒の栄養素と健康効果、整腸作用、美容効果などが格段にパワーアップします。

元々完全栄養食と呼ばれる玄米。その玄米を麹の力で発酵させた玄米甘酒は、なんと表現して良いか困るほどすごい存在です。健康志向の高い方を中心に玄米甘酒にリピーターが多いのも理解できますね。

POINT
白米甘酒:すっきりとしたクセの少ない甘さで飲みやすい
玄米甘酒:コクや香ばしい玄米の風味・栄養価が桁違いに高い(食物繊維は白米の4-5倍)

麹による違い

私たちはよく麹と一括りに呼びますが、おそらくそれは”人間”と大きく一括りにしているのと同じくらいではないでしょうか。人間でも白人、黒人、黄人がいれば、黄人でも国や地域によって特徴も様々です。同じ両親から生まれた兄弟でも顔つきや性格が異なります。ようするに麹の世界でも同じく個性があるということです。甘酒に使う麹は日本酒や味噌などと同じく黄麹という種類ですが、〇〇さん家の麹と△△さん家の麹では作り出す酵素の量や分解力、麹そのものの風味も違うので出来上がる甘酒も違ってきます。微生物の世界とは興味深いですね。ちなみにクエン酸などの酸を多く生成する白麹を黄麹に混ぜて甘酒を作れば、酸味のある甘酒に仕上がります。日本酒でも最近人気のアプローチです。

POINT
麹と言っても多種多様。各メーカーの麹はそれぞれ個性があり出来上がりは違う風味となる
手作り甘酒ほど、毎回味が違う

麹の使用量による違い

実は麹甘酒と言っても、米麹に水だけを加えて発酵させた米麹100%の甘酒もあれば、米麹に炊いたご飯やお粥を混ぜて(掛け米)発酵させた甘酒もあります。麹自体に特徴的な風味もあることから、どれだけの割合で米麹を使用するかも甘酒の出来上がりに大きな影響を与えます。一般的に米麹と水のみで作った甘酒の方が麹の風味の強い甘酒に仕上がります。一方で掛け米を加えた甘酒は、麹特有のクセが少なく、優しい味わいになります。

POINT
米麹を多く使用するほど麹の風味が強く出る
麹の風味が少し苦手な場合は掛け米を加えた甘酒を選ぶ

加熱殺菌による違い

冷蔵や常温の状態で販売されている甘酒は製造後、そのままだと日持ちがしないため、火入れという加熱殺菌を行なって出荷されています。一方で、加熱することで糖とアミノ酸やペプチドが結合するメイラード反応(お肉や玉ねぎを加熱すると褐色するのと同じ)が起こり、風味が変化していきます。このメイラード反応は常温でも温度が高いほど早く進むので、どんどん風味は変化していきます。特に常温で販売されている甘酒で、色が黄色や褐色に変化している甘酒は風味がかなり劣化している可能性があります。冷蔵で保存されている甘酒は比較的風味の変化が穏やかです。

生甘酒と呼ばれるタイプは製造後の火入れを行なっていないため、日持ちはしませんが、作りたての甘酒本来の栄養素と風味が楽しめます。日持ちがしないため作りたてを店舗で飲むか、オンラインの場合は冷凍の商品を注文するとご家庭でも生甘酒が楽しめます。生甘酒を一度飲むと、常温保存の甘酒には戻れないという人が多いほど大きく味わいが異なります。

POINT
甘酒は製造後、火入れや長期保存の過程で風味が劣化していくスーパーでは冷蔵の商品を選ぶと良い
生甘酒は火入れをしていないため、出来立ての風味とそのままの栄養素を取り入れられるが、冷凍保存が必要で解凍後は早めに飲む

添加物の違い

麹甘酒の原材料は米と米麹ですが、実際に販売されている甘酒を見ると様々な添加物が加えられている事があります。砂糖、人工甘味料、食塩、増粘剤、酸味料、安定剤、香料などなど。

甘酒は飲む点滴と呼ばれ、夏場の栄養補給にも効果的なのですが、唯一熱中症対策に必要な塩分だけは含まれていませんので、食塩が添加された甘酒は塩分の補給も出来ます。一般的に安価な甘酒ほど、添加物が多く加えられている傾向があります。出来れば米と米麹だけの無添加の甘酒を選びたいところですね。

POINT
安価な甘酒ほど添加物が多い
気になる場合は原材料をチェックして米と米麹だけで作られた甘酒を選ぶ


さて、今回は甘酒の味を左右するポイントと美味しい甘酒の選び方を解説しました。甘酒は知れば知るほど奥が深い発酵食品です。日本酒好きの方には是非同じ視点でスペックをチェックしてみると面白いかもしれません。

またこれらの情報や、原材料や製法に関する情報をチェックすることで、こだわりのある甘酒なのかそうでないのかも判断出来るようになるかと思います。

甘酒

AMAZAKE HOUSEの甘酒スペックを紹介!


ここでAMAZAKE HOUSEの甘酒のスペックをご紹介します。(2021年8月時点)


生甘酒(白米)

玄米生甘酒

私たちのこだわり
AMAZAKE HOUSEでは米の持つ栄養をなるべく損なうことなく麹で発酵させた生甘酒をお届けしたいと考えております。そのため、過度に精米した米は使わず、白米生甘酒でも糠を落としただけの90%を使用。また玄米生甘酒では掛け米には精米しないそのままの玄米を使用しておりますので食物繊維もたっぷり含まれています。また、優しい甘さと風味に仕上げるためにもち米を使用せず、全量うるち米を使用しております。
お知らせ
今後はオンラインショップでもご購入頂けるように準備をしています。どうぞお楽しみに!

京都伏見のAMAZAKE HOUSEでお待ちしてます♪

甘酒ハウス店舗

私たちは京都伏見のAMAZAKE HOUSE (甘酒ハウス) という手作り生甘酒のお店です。京都産のお米と米麹を使用した、こだわりの甘酒を提供しています!

甘酒カップ


AMAZAKE HOUSEの店舗がある京都伏見は、日本酒の生産地として有名な発酵文化の根付く街です。

幕末の志士達も駆け抜けた風情ある酒蔵の並ぶ街並みや、桜や柳が綺麗で十石舟が行き交う濠川、京の都を遷都した桓武天皇陵や明治天皇陵のある桃山など魅力あふれる街です。

京都観光の際は是非伏見酒蔵地区へもお越しいただき、当店の生甘酒をお楽しみください。

お店の近くには月桂冠大倉記念館や、寺田屋御香宮神社というスポットもあります。AMAZAKE HOUSEは竜馬通りという観光地内にありますので、観光の合間にぜひお立ち寄りください!

この記事を書いた人
Kotaro Hashimoto

  

京都市出身。国際唎酒師・生甘酒専門店AMAZAKE HOUSE醸造責任者。アメリカ、オーストラリア滞在を経て現在は京都伏見にて日本酒や甘酒、麹の文化を世界に発信している。

この記事を書いた人
Kotaro Hashimoto

京都市出身。国際唎酒師・生甘酒専門店AMAZAKE HOUSE醸造責任者。アメリカ、オーストラリア滞在を経て現在は京都伏見にて日本酒や甘酒、麹の文化を世界に発信している。

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